耐震補強の必要性

この日本が地震大国だというのは誰もが周知の事です。
1995年1月17日に発生した『阪神・淡路大震災』での調査によれば、犠牲になった6344名の約83.8%が建物の倒壊による圧死、窒息死です。
次に12.8%は逃げ遅れによる焼死でした。建物が倒壊すると火災発生、延焼の被害は増大します。
そして、記憶に新しい2011年3月11日に発生した、『東日本大震災』では津波の被害がほとんどを占めます。
一方、家屋の倒壊はほとんどありませんでした。それは、確かに家屋の耐震化が進んでいた事もあると思いますが、それだけではありません。地震波の周期によるものと言われています。
被害のほとんどが建物等倒壊による圧死・窒息死であった『阪神・淡路大震災』の地震動の周期は「キラーパルス」と呼ばれ、木造家屋に大きな被害をもたらす周期1秒前後の揺れでした。
『東日本大震災』では、地震波の周期は0.1〜1秒の短い波がほとんどで、木造家屋に壊滅的な被害をおよぼす1秒前後の周期の地震波は、地震の規模の割に少なかった。しかし、海岸付近の家は、倒壊は免れたものの、直後の津波で流されてしまったようです。
このように、地震波の周期で被害が全く違うのです。
ここで、心配なのが2012年 1月に東京大学地震研究所により、マグニチュード(M)7級の首都直下型地震が発生する確率は4年以内で70%とする衝撃の研究結果をまとめ発表されたこと。
この結果を見れば誰でも切迫した状況なことはお分かりでしょう。非常持ち出し品を揃えても、避難訓練を行っていても、まず地震の第1波から生き抜かなければ意味がありません。大地震から『命』を守る有効な対策は、建物の耐震化以外にありません。
特に昭和56年に大幅に耐震基準が改正された為、昭和56年以前の建物は、かなり危険な状態です。(※横浜市では基準に満たすS56年以前の建物には補助金制度があります。
詳しくはこちら→横浜市木造住宅耐震改修促進事業)
日頃から建物の中で過ごす時間の長い高齢者や障害を持つ方。愛するヒト。大切な家族 ・・・・・一刻の猶予もありません。
耐震補強のしくみ



耐震補強の流れ
![]() 地震に対しての安全性や耐震改修の必要性を知るために行います。 『倒壊の可能性がある又は可能性がある』と判定された場合は、耐震改修を検討しましょう。 |

![]() 住まいのどの部分が地震対して弱いのかを見極め、住まいが地震に対して強くなるよう 検討を行い、耐震改修の為の設計図面を作成します。 |

![]() 設計図面に従い、補強工事を行います。工事が適正に行われている事を確認するため、 設計者・第三者検査員が現場確認・検査を行います。 |


![]() 家族が安心して暮らせる、地震に強い家が完成です。 |
耐震補強について

耐震設計には工事管理も含んで契約をする事がほとんどです。
その費用の目安は、建物の年代や規模はありまり関係せず、一般的に下記のように決まります。
費用 = 設計・管理に必要な日数 × 人件費 / 1日 × 係数(経費など)
具体的な費用は、作成図面の枚数や打合せの頻度、業務体制などによっても異なります。
事前にその内容について、設計者に確認して下さい。
耐震工事レポート


右の写真は家の角の土台です。半分くらいないのが分かりますか?
これは白蟻に食べられた跡です。土台といえば家を支えている大切な木です。
これがY様宅では、家の全周囲にわたり被害にあっていました。他にも柱や筋交い・大引きなどが被害にあっていました。
このように、耐震補強の時に、内部の他の欠陥が見つかることも大いにあるのです。
普段見えない部分なので、恐いですね。
内部の補強にはこういうメリットもあるのです。
Y様宅は全周囲の土台を新しく入れ替えました。
金物紹介
その多数ある中で、場所場所にあったものを選定して取り付けるのも技術がいるのです。
そして、必一か所づつ金物補強・筋交い補強が完了した時点で検査員による目視検査があるのです。
第三者の検査があることによって、手抜きや・ミスを防ぎます。お客様は安心ですね。
左写真は検査の様子です。
基礎の耐震補強の流れ
補強の仕方とすると、既存の古い基礎の外側に新しく強固な基礎を抱かせて作り、一体化させ補強するという考え方です。
耐震改修は、ほぼ住みながらの工事がほとんどですので、お客様にも制約があったり、協力していただくことも多いのです。しかし、基礎の補強工事は外部ですので、さほど生活に支障なく工事が進められるので、お客様にとってはお勧めです。
また、基礎工事は見えない土中を掘り鉄筋を組み、コンクリートを流し作ります。なので、見えない障害物があることが多いです。とくに配管(ガス・水・排水等)関係です。これによって大きく金額が変わってくることにも注意が必要です。
Y様 の声
大変満足して喜んで頂いたY様。
最後の日に記念写真を撮って下さいました。
こちらこそ、毎日冷たい麦茶などのお心遣いありがとうございました。皆、毎日気持ちよく作業が出来ました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
また、HP掲載にもご協力いただきありがとうございます。
Y様邸 耐震工事のポイント
Y様宅は耐震補強壁も26か所と多く、基礎も10m以上での補強でした。耐震補強工事の中では大規模な内容でした。 しかし、一言で壁の耐震補強と言っても、補強内容は各壁違います。内容は構造計算によって算出され、剛性とバランスが重要とされています。 比較的多い補強方法は新しく筋交いを入れ、各構造体の端部を金物で補強します。さらに、構造用合板9mmを張り剛性を高くする補強方法です。Y様宅もそうでした。 しかし、工事を進めていく中で、思いもよらない出来事が、、、『白蟻被害』でした。 上でも説明があった通り被害は深刻で、結局家全周にわたり土台交換となってしまいました。 規模は大きくなりましたが、これを機にしっかりとした補強・白蟻対策が出来ました。 Y様もこれからの生活を安心して過ごせる。と大変満足してくださいました。 |
Y様邸耐震工事 詳細
築年数,規模 | 建築物概要 | 構造評点 | 補強数量 | 金額 | 工期 |
昭和49年築 木造2階建 | 1F床面積:76.44平米 2F床面積:43.89平米 延床面積:120.33平米 | 0.23 → 1.11 | 屋根 なし 2F壁 8箇所 1F壁 18箇所 基礎 10.2m | 設計費 50万 工事費 650万 補助金 150万 | H23年施工 約3ヶ月間 |
M様邸 耐震工事のポイント
M様宅は当初のプランだと外部からの補強が多くありました。しかし、昨年、外壁の塗り替えをしたばかりのM様宅。その綺麗な外壁を壊してしまうのは、もったいなかったので、プラン変更で内壁からの補強に変更することに。 通常は、お客様への日常生活への負担を考慮すると、外部からの補強の方がお勧めなのですが、今回は内壁からの補強にしました。 このように、各現場状況が違うので、当初の打ち合わせ・現調・プランニングが重要なのです。 そして、無事補強が完了し、家の見た目もキレイに!!内側の構造も頑丈に!! M様も『これで安心して生活できる』と大変喜んでいただきました。 色々とご協力いただきありがとうございました。 |
M様邸耐震工事 詳細
築年数,規模 | 建築物概要 | 構造評点 | 補強数量 | 金額 | 工期 |
昭和46年築 木造2階建 | 1F床面積:35.88平米 2F床面積:33.67平米 延床面積:69.55平米 | 0.22 → 1.10 | 屋根 なし 2F壁 3箇所 1F壁 6箇所 基礎 8.2m | 設計費 50万 工事費 330万 補助金 0万 | H23年施工 約1ヶ月間 |
H様邸 耐震工事のポイント
H様宅は基礎はなかったものの、壁補強箇所が多くその中でも、中からの工事が多いお宅でした。もちろん住みながらなので、一箇所一箇所補強しては、移動で大変でした。それでも、お客様が荷物の片付けや移動をしてくださっていたので、工事は順調に進みました。 また、耐震補強のプランも設計図を元にする事が多いのですが、実際工事をすると図面通りでないこともしばしば。H様宅も柱があるべきところに無かったり・・・大事な柱や土台が腐っていたり・・・そんなアクシデントも耐震改修工事には付き物なんです。でも、ちゃんと完璧に補強すれば、地震に強い我が家に生まれ変わります。 H様宅の耐震補強の工事の最中、、、東日本大震災が発生しました。何より無事に工事が終了してよかったです。 H様にも大変満足していただけました。ありがとうございました。 |
H様邸耐震工事 詳細
築年数,規模 | 建築物概要 | 構造評点 | 補強数量 | 金額 | 工期 |
昭和42年築 木造2階建 | 1F床面積:65.96平米 2F床面積:52.58平米 延床面積:118.54平米 | 0.11 → 1.10 | 屋根 なし 1F壁 15.5箇所 2F壁 9箇所 基礎 なし | 設計費 50万 工事費 470万 補助金 150万 | H23年施工 約1.5ヶ月間 |